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もみじとかえで | 赤犬赤猫
DAY3 ぼくたちって、何者?
2026年8月3日。
ゆるバース挑戦、3日目。
朝から、かえでは鏡の前で首をかしげていた。
右を向いて。
左を向いて。
ちょっと笑って。
今度は、きりっとした顔をする。
🐱「……何してるにゃ?」
後ろから、もみじがのぞき込む。
🐶「考えてるの」
🐱「何を?」
🐶「ぼくたちって、何者なんだろうって」
🐱「急に深いにゃ」
かえでは振り返った。
🐶「だってさ、ゆるバースでぼくたちを初めて知った人からしたら、“赤い犬と赤い猫”でしょ?」
🐱「まあ、そうにゃ」
🐶「でも、それだけじゃないよね?」
その言葉に、もみじは少し黙った。
たしかにそうだった。
もみじとかえでは、ただのキャラクターではない。
かわいいと言ってもらえるのは嬉しい。
応援してもらえるのも嬉しい。
けれど、本当に知ってほしいのは、その先にあることだった。
🐱「かえで」
🐶「なに?」
🐱「今日は、“ぼくたちが何者なのか”をちゃんと伝える日にするにゃ」
🐶「おお! DAY3っぽい!」
🐱「DAY3っぽいって何にゃ」
二匹は、改めて自分たちのことを考えてみた。
赤猫の、もみじ。
赤犬の、かえで。
二匹が活動している「赤犬赤猫」は、
保護犬・保護猫のことを、
もっとたくさんの人に知ってもらうために生まれたプロジェクト。
🐶「ねえ、もみじ」
🐱「なんにゃ?」
🐶「保護犬とか保護猫って聞くと、ちょっと悲しいイメージを持つ人もいるよね」
🐱「いると思うにゃ」
行き場を失った犬や猫。
新しい家族を待っている犬や猫。
その命を守るために活動している人たち。
そこには、確かに簡単ではない現実がある。
でも。
もみじとかえでは、
悲しい話だけを伝えるために生まれたわけではなかった。
🐶「ぼくはね」
かえでが言った。
🐶「保護犬とか保護猫のことを、“かわいそう”だけで終わらせたくないんだ」
もみじはうなずく。
🐱「知ることも、応援することも、もっと楽しくていいにゃ」
キャラクターを見て笑う。
イベントに参加する。
誰かに話す。
SNSでシェアする。
一票を投じる。
そんな小さな行動も、
誰かが保護犬・保護猫を知る入口になるかもしれない。
🐶「つまり!」
かえでが勢いよく立ち上がった。
🐶「ぼくたちは、保護犬と保護猫の応援隊!」
🐱「それだけだと、ちょっと普通にゃ」
🐶「じゃあ……」
かえでは腕を組んで考える。
🐶「保護犬・保護猫と人をつなぐ、赤い応援隊!」
🐱「ちょっと良くなったにゃ」
🐶「かわいさで世界を変える!」
🐱「急に壮大にゃ」
二匹は顔を見合わせて笑った。
答えは、まだ一言では表せないかもしれない。
でも、それでよかった。
この挑戦を続けながら、
自分たちなりの答えを見つけていけばいい。
その日の午後。
二匹は、いつものように投票をお願いした。
でも今日は、少しだけ言葉が違った。
🐶「ぼくたちは、ゆるバースで1位になりたいです!」
かえでが言う。
そして、もみじが続ける。
🐱「でも、それと同じくらい、保護犬や保護猫のことを知ってくれる人を増やしたいにゃ」
すると、
「そういう活動をしてるんだね」
という声が返ってきた。
二匹は顔を見合わせた。
たった一言。
でも、それは今日の二匹にとって、
一票と同じくらい嬉しい言葉だった。
知ってもらえた。
伝わった。
🐶「もみじ」
🐱「なんにゃ?」
🐶「ゆるバースに出てよかったね」
🐱「まだ3日目にゃ」
🐶「でも、もう一人知ってくれたよ」
もみじは少し笑った。
🐱「そうにゃ。だったら、明日はもう一人増やすにゃ」
🐶「うん!」
夏の日差しは、今日も強い。
だから二匹は、水分補給もしっかりしながら歩いていく。
🐱「かえで、水飲むにゃ」
🐶「はーい!」
🐱「熱中症になったら、挑戦どころじゃないにゃ」
🐶「みんなも気をつけてねー!」
――DAY3。
もみじとかえでは、
自分たちが何者なのかを、
少しだけ言葉にできるようになった。
赤犬と赤猫。
ゆるバースの挑戦者。
そして、
保護犬・保護猫を知るきっかけを、
楽しくつくっていく二匹。
その答えはきっと、
この夏の終わりには、
もっと大きな意味を持っている。