ごめんね青春! 静岡・三島に熱い視線

高校の合併をめぐる騒動を描いたテレビドラマ「ごめんね青春!」(TBS系)の舞台になった静岡県三島市で、三嶋大社などのロケ地を巡る観光客が増えている。例年約60万人が訪れる初詣を前に、ドラマ人気を生かしてさらに客を呼び込もうと、新商品開発や誘客戦略に力が入っている。
ドラマは、NHKの連続テレビ小説「あまちゃん」の宮藤官九郎さんが脚本を担当。アイドルグループ「関ジャニ∞」の錦戸亮さんらが出演し、10~12月に放送された。「ゆるキャラグランプリ2014」で156位に終わった市のマスコットキャラクター「みしまるくん・みしまるこちゃん」も劇中に登場し、人気が急上昇した。
三島市観光協会によると、JR三島駅南口の市総合観光案内所では、グッズの売り上げが急増。放送前の売り上げが月平均10個程度だった「みしまるくんストラップ」は、11月だけで848個が売れ在庫がなくなった。次の入荷は、正月には間に合わないという。
観光協会では、初詣に合わせてロケ地マップ(A4判)を5000部作り、観光案内所で配布する。担当者は「三島はそぞろ歩きが楽しい街。リピーターを増やすため、このチャンスを生かしたい」と期待する。
ドラマに出てきた「みしまるくんオムライス」(1000円、税込み)をメニューに加えたのは、オムライスの名店として40年以上愛されてきた老舗洋食店「ビストロ大木」(広小路町)。店主の大木繁さん(66)は「最初は半信半疑だったけれど、みんな笑顔で写真を撮って、楽しそうに食べてくれる」と満足そうだ。
伊豆箱根鉄道駿豆線(通称・いずっぱこ)の車内に1本だけある「ハートのつり革」は、縁結びで話題になった。菓子店「兎月園」(中央町)は、ハート形のクッキーにリボンを通し「つり革」らしく仕上げて販売を始めた。専務の綾部剛さん(40)は「娘がドラマにエキストラ出演したのをきっかけに作った。岡山や広島から買いに来てくれる観光客もいる」と喜ぶ。
三嶋大社の向かいにある商業施設「大社の杜(もり)みしま」(大社町)には今月13日、みしまるくんグッズの専門店「メアリーズ」が開店。Tシャツやトートバッグなど同店オリジナルの15種類が並び、ひっきりなしに観光客が訪れる。店長の益山愛梨さん(40)は「おしゃれにまちおこしに貢献したい」と話している。
2014年12月29日(YOMIURI ONLINE)